黒森神楽(宮古市)
黒森神楽は、宮古市山口に鎮座する黒森神社を本拠地としている。正月になると、黒森神社の神霊を移した「権現様」(獅子頭)を携えて、陸中沿岸の集落を廻り、家々の庭先で権現舞を舞って悪魔祓いや火伏せの祈祷を行う。夜は宿になった民家の座敷で夜神楽を演じて、五穀豊穣・大漁成就や天下泰平などの祈祷の舞によって人々を楽しませ祝福をもたらしている。
この巡行は旧南部藩の沿岸部を、山口から北上する「北廻り」と南下する「南廻り」に隔年で廻村し、江戸時代初期からその範囲は変わっていない。
役舞(清祓・榊葉・松迎・山の神舞・恵比寿舞)と、記紀神話をテーマとする演目、道化が登場する狂言、劇仕立ての仕組みなど多彩な演目で魅了している。